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レイドバックについて

レイド バック

って言葉、楽器プレイヤーの人以外で聞いたこと
ある人いますか?

楽器奏者、特にドラム、ベース、ギター、ピアノ、
ホーンなどのリズムを強く出す立場の楽器、
また楽器奏者でなくてもシンガーも。
R&Bやファンキーなスタイルのリズムの
音楽をプレイする際に、特段きかれる言葉なのではないかと
思います。
「そこのフレーズ、もっとレイドバックした感じでヨロ!」
なんて、
僕たち、そのフィールドに慣れ親しんでいる人間は
当たり前のように使っている言葉でも、
その界隈にいない人には全く意味が通らないこともある
この「レイドバック」という表現、
一度みてみましょう。

「Laid back」の意味は「リラックスした、」とか「ゆったり急がずに」というのが本来言葉の持つ意味です。

実際に、いわゆる「レイドバックしたビート」で演奏された
音楽は、どこかゆったり聴こえて心地よいグルーヴが
生み出されているのですが、
この奏法、危険なのが

カタチだけ真似すると
「どんどんテンポが遅くなるだけのダルい演奏」に
なってしまいがちです。

確かに、この手のリズムで演奏される場合は全体的に
テンポ設定自体も遅い場合が多いのですが、
リズムの取り方にクセさえあれど、
熟練したプレイヤーの場合
テンポがどんどん遅くなることはありません。

具体的にどのようにリズムをコントロールしているかというと
図の譜例をみてみましょう。

(※こういうリズムの概念を言葉で説明するのは
ヒジョーーーに難しいのですが、
今回はめちゃザックリした表面的な解説をします。)

付点8分音符と16分音符
こういう、「16ウラ」が登場するようなリズムの時に、
後ろの16分音符を、
次の拍のアタマにかぶってしまうのではないか?ってくらい
限界までためてためてためて、っっっば   と
発音します。

けど、その次の拍の頭は決して遅れることなく
ドラムとかがキッチリ、アタマ!!を叩き出してくれることで
全体のGrooveとしてはテンポが遅れることなく
帳尻があう、という様子です。

DTMをやる方は「クオンタイズ」という機能を
ご存知かと思います。
打ち込む時に多少リズムがヨレていても、
クオンタイズボタンをピッと押してやると
あらかじめ設定された16分音符とかのグリッドに
カチッと全ての音符がキレーーにはまってくれる便利な機能(^O^)

はい、この生演奏特有の「レイドバック」したビートは、
クオンタイズ機能を使ったらほぼ間違いなく、
生み出せません!(ドーーーーーーーん

海外のトラックメイカーたちは、
クオンタイズしない
という話をよく聞きますが、彼ら曰く
「クオンタイズしたらリスナーにバレるから」
というくらい、逆に生の演奏のタイム感を重視しているのですね。ドラムを打ち込む時でさえ、です。

例えばシンガーさんでも、
やはりリズムのいいシンガーさんは
この辺の細かい音符のリズムの処理をも
肌感覚で全てしっかりやってのけている。
だから、ピアノと歌だけ みたいな
シンプルな編成になったとしても、
自分のタイム感を持ってして歌えるからこそ
気持ちよくGrooveするんですね。

この、大きなグルーヴを体得できていない人の
特徴として感じるのは、
譜例の
付点8分音符の部分がすごく短い、待ちきれない人が
多いような印象を受けます。

別に、レイドバックしたビートを狙っていないにしても、
ここの長さをしっかり待ちきれないがために
1拍の長さ(俗に言う、ポケット)が足りない場合を
よく散見いたします。

ベースの演奏も特にそうなのですが、
「音価」つまり音の長さ、
これをコントロールすることが
グルーヴを支配する、
ポケットに潜る、
ダイヴする!

そんな感覚に近づくためのポイントかなと感じています。

音楽を言葉で説明するのは大変なものですね。

このトピックについては様々な意見があると
思いますので、ぜひ皆さんの考えもお聞かせ頂きたいと
思います。

より良いポケットを探求して、リラックスした
気持ちいいビート探っていきましょう。

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※追記

今朝のこちらの解説ですが、厳密にいうと、16分音符だけを遅らせるのではなく、フレーズ全体を遅らせる、という方が解釈としては正しいのですが、導入としてざっくりと説明するために図のような解説になってしまいました。実際に書いてみて、言葉で説明するのが非常に難しいポイントだと感じたので、研究して後日にまた続編を書いてみたいと思います!

(2017/12/20筆)

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