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アドリブ法【⑧最終的には、相手に伝えるため、オーディエンスに届けるために】

【⑧最終的には、相手に伝えるため、オーディエンスに届けるために。】

おはようございます!
1週間続いた連載も、いよいよ今日で
8ステップ目。ラストです。
さて、テクニカルな事は昨日までで終わり。


今日は、最後のトピックらしく、まとめてみたいと思います。

ベースライン、ドラムのリズムパターン、鍵盤のコード、
ギターのカッティング、ホーンセクションの
オブリガード、ストリングスのハーモニー、
シンセサイザーやサンプリングのサウンドEFX、
声、、、
あらゆる要素で音楽は構成されています。

これらの働きを、サウンドとして知っている事は
とても大切です。

もちろん、作曲を勉強していく上で
ちょっとずつその音の違いも聴き分けられるようになるし
日頃から音楽を聴くときも、

自分の演奏パート「以外」が何をしているのか
どんどん耳を傾けてみるクセをつけるといいでしょう。

アドリブを演奏するときに、
一人だけで音源に合わせて演奏するのと、
実際に人と演奏するのでは
訳が違います。
当然、一緒にやる人が誰なのかによっても
サウンドもフレーズも、10人10色です。

でも、それがアンサンブルという事なんです!

さて、アドリブがうまく演奏できるようになった先に何があるでしょう?

そのアドリブの力や作曲の力を身に付けて、
どうなりたい?
ステージでどんな音を出していたい?
どんな人と、どんな風に音を出せるようになりたい?
これが、一番大切です。

憧れのプレイヤーがいる。
それはとっても良い事です!
その人の良いところを、
どんどん吸収していったら良いです。
でも、その人と全く同じようになれるか?
と言ったら、なれませんよね。
自分は自分しかいないし、
その人もその人しかいません。

色々なエッセンスを吸収したとしても、
最後は!
「自分の言葉」をしゃべれるように
ならなければ、本当の意味で
アドリブが取れる、とは言えないのでは
ないでしょうか?

例えば、あなたがベーシストだったとします。
「本番の最中に、本当はマイナーの箇所なのに
キーボードが間違えてメジャーを弾きやがった!」

ここで、取れる行動は主に2つ。

①本来の楽譜の通り、自分はマイナーのラインをしっかり
弾きこなし、後でキーボードにキレる。

②その瞬間、よし!っと判断して
ベースラインもメジャー3rdの音を強調してやって
キーボードの間違いを逆に利用して
「音楽全体を」メジャーに作り変えてアシストしてしまう。

さて、どっちが正しかったのでしょう?

これは、はっきり言って

現場によって違います。
お仕事で、必ずマイナーを弾かなければならない
シチュエーションの場合は、①の方が正しいとも言えます。

しかし、自分たちの好きなように演奏していい
表現の場であれば、②のような行動で
音楽全体をその場で再構築してしまう、
そんな事も可能なんです。
それこそが、真の「アドリブの力」なのではないかと
僕は考えます。

しかし、それを瞬間的にそのサウンドがよろしい、と
判断できるかどうか!?
そこにこそ
音楽理論的なバックボーンが問われるのです。

そして、一緒に演奏する相手への
愛がなくてはアンサンブルは成りません。

極論、ステージ上では、
鳴ってしまった音は全て音楽です。

それらを丸ごと包み込んでしまうくらい、
自分の音楽力に説得力を持たせる事ができたら
どんな音でも力に変えてしてしまう事ができます。

「自分はこうしたいよ!」と相手に(演奏で)伝える力、
一緒に演奏する相手の音をしっかり感じて、
一緒に音楽を作り上げる力
それらが揃うと、
きっと。観ている人にも届きます。

そうなったら、素敵じゃないですか。

僕も、自分の言葉を
一生かけて育てていきたいと思っています。

テクニックを習得する事自体は、
実はそんなに難しい事ではないんです。

ぜひ、自分の中の音楽を育てる、という事を
これを読んで少しでも考えるきっかけにして頂けたら
嬉しいなぁと思います。

いい音にいっぱい触れよう!!

最後までお読みいただき、
ありがとうございました!

森田悠介

(2018/3/26筆)

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