おはようございます。
森田悠介です。
波乱万丈の船の旅、おすそ分けできたでしょうか。
さて、船の中で出会ったバンドとセッションした時に
ろくに譜面もない状態で、彼らの知らないはずの
日本の歌を、リハーサルもせずにその場で合わせられた
とある方法があります。
それは、セッション慣れしているミュージシャンなら
きっと感覚でその方法を掴んでいるであろう、
「コード進行を数字の度数で表す方法」です。
実はこれ、アメリカのナッシュビルというエリアで発祥したした
「ナッシュビルナンバーシステム」と言われています。
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簡単に言うと
ド レ ミ ファ ソ ラ シ
1 2 3 4 5 6 7
です。
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「移動ド」の概念を理解している人なら早いと思いますが、
これはつまり、
メジャースケールの
トニックのドが1、ドミナントのソが5
移調して、
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KeyがDだったら
D Em F#m G A7 Bm C#m7(-5)
1 2 3 4 5 6 7
となります。
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よく、ツーファイブワンって言うじゃないですか。
あれもある意味、この考え方です。
どのキーに行っても、
Ⅱm7→Ⅴ7→Ⅰの、和声的な機能は同じこと。
このシステムが便利なのは、
例えばボーカルの声のベストな声域が曲のキーに合わない。というような時、
このナンバーシステムで書かれたコード進行メモがあれば、
パッとキーを変える事にも対応できるわけです。
もちろん曲によっては、4、5の音が部分的にマイナーになったり、いろいろ例外はありますが、
ごく普通の曲であれば、ほぼほぼ、数字だけでコード進行を表せます。
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●一つだけ注意すべき点は、
楽典などの理論書とナンバーシステムの大きな違いの1つは、
このナッシュビルナンバーシステムでは
ナチュラルマイナーキーのトニックは
1m7ではなく6m7となること。
つまり、Aマイナーの曲はまとめて
平行調であるCメジャーを基準に度数を当てはめます。
ナッシュビルナンバーシステムを自在に使いこなすには、
前提として
メジャースケール上のダイアトニックコードを
ちゃんとサウンドで理解している必要がありますが、
それさえ知っていれば、
慣れれば
数字だけでコード進行が読めるようになります。
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この方法を使って、僕はマレーシアのキーボードの彼に
コードが変わる数拍前に、右手で「3!」とか
口で「Four 、Four minor、two five one!」とか言いながら
瞬時にコード進行を伝えたわけです。
そして彼も、耳がいいのでコードを数字で判断できる事が
分かっていたため、この方法できっと成立するな、と
確信したわけです。
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このナッシュビルナンバーシステムは
あの偉大なるロックスター、エルビスプレスリーの
バンドマネージャー的な人が編み出したと言われています。
エルビスが全盛期だったころ、声の調子でしょっちゅう
歌うキーを変えたので、バックで演奏するバンドマン達が
困ってしまったそうです。
しかしこの、数字でコード進行を表す譜面の登場で、
どんなキーに行っても簡単に対応できる!という
画期的な方法です。
いかがでしたか?
名前は知らなかったけど
もうすでに使ってるよ!という人も多いと思いますが
知らなかった人も是非、この方法を感覚で分かるようになったら楽しいですよ。
というわけで今朝はこのあたりで。
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(2017/10/30筆)